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事務所ニュース2018年3月号

平成30年度税制改正の柱の一つ公的年金等控除から基礎控除へ

早くも3月!本格的な春が待ち遠しい季節になりました。
お変わりございませんか。
2017年12月14日に平成30年度税制改正大綱が発表され、2018年2月28日に「平成30年度(当初)予算97兆7,128億円」が衆議院本会議で自民・公明両党の賛成多数で可決し、参議院へ送られました。
内容を見ると、従業員の賃金を一定以上増加させた企業は法人税が軽減されるなど、法人に対しては課税の緩和が見られる一方で、個人、特に高所得者や資産家に対しては、課税強化となる改正が目立ちます。

今回は、高所得者にとっては増税となる所得税の改正について解説します。
このご案内は、2018年2月現在の税制に基づき作成しております。
税制は将来変更されることがありますのでご注意ください。

【公的年金等控除から基礎控除へ】
・給与所得控除、上限を収入金額850万円、上限控除額上限195万円に引下げ
平成30年度税制改正の柱の一つは個人所得課税の見直しです。
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替を図っています。
与党の税制改正大綱は、「様々な形で働く人をあまねく応援し、「働き方改革」を後押しする観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除や公的年金等控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除に、負担調整の比重を移していくことが必要」として、給与所得控除・公的年金等控除を10万円引き下げるとともに、基礎控除を同額引き上げるとしました。

具体的には、給与所得控除については、上限額が適用される給与等の収入金額を850万円(現行:1,000万円)、その上限額を195万円(現行:220万円)に引き下げます。
ただし、子育てや介護に対して配慮する観点から、22歳以下の扶養親族が同一生計内にいる者や特別障害者控除の対象となる扶養親族等が同一生計内にいる者については、負担増が生じないような措置を講じています。

・公的年金等控除、収入金額1,000万円超は控除額上限195.5万円
公的年金等控除については、収入が増加しても控除額に上限がなく、高所得の年金所得者に手厚い仕組みとなっていると指摘。
世代内・世代間の公平性を確保する観点から、公的年金等収入が1,000万円を超える場合、控除額に上限(見直し後の上限額195.5万円)を設けています。
また、公的年金等収入以外の所得金額が1,000万円を超える場合には控除額を10万円引き下げ、2,000万円を超える場合には控除額を20万円引き下げています。

・基礎控除、一律10万円引上げ、2,500万円超はゼロ
一方で、誰にでも適用される基礎控除については、控除額を一律10万円引き上げています。
ただし、合計所得金額が2,400万円を超える個人には、その合計所得金額に応じて控除額が逓減し、2,500万円を超える場合には基礎控除はゼロとなります。
この結果、基礎控除は、合計所得金額が2,400万円以下の場合は48万円、同2,400万円を超え2,450万円以下の場合は32万円、同2,450万円を超え2,500万円以下の場合は16万円となります。
これらの見直しの結果、増税となるのは給与所得者の4%に当たる約230万人の年収850万円を超える会社員等で、増税額は350億円になる見込みです。
年収850万円以下の会社員等は増税にも減税にもなりませんが、特定の企業に属さないフリーランスや在宅で仕事を請け負う人の多くは、国税・地方税ともに基礎控除が増えるため減税となります。

これらの改正は、平成32年分以後の所得税及び平成33年度分以後の個人住民税について適用されます。

高所得のサラリーマンにとっては、ちょっと厳しい改正になりそうですね。
なぜ、所得の高いサラリーマンに増税を強いるのかというと、その増税分で法人税を軽減し、企業を元気にして景気回復につなげる狙いがあるのではないでしょうか。

例えば「所得拡大促進税制」などがその代表です。
この税制をざっくり説明しますと、中小企業であれば、平均給与額を前年比1.5%以上に賃上げする(大企業は3%プラス設備投資額の要件)と、前年に比べて増加した給与額の15%に相当する法人税を軽減できる(法人税の20%限度)というものです。

さらに、前年比2.5%以上の賃上げをして、社員の教育訓練費を前年比で10%以上増加させるなどの要件を満たすと、給与増加額の25%を税額控除できるというものです。

これらの政策が機能して「法人税を軽減できるなら、賃金を上げるか」と、増税額以上に賃金が上がれば、問題は無いのかもしれませんが・・・。
はたして、うまくいくのでしょうか?

今年は異常ともいえる寒波の襲来で、大変な思いをされた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
もう春の足音は聞こえてきています。
体調を崩されませんようにご自愛ください。

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