家なき子特例で小規模宅地の特例に制限を設ける案!
あっという間に2月になりました。
昔から2月は逃げるといってすぐ去っていく月と云われています。
雪が降りお寒い時期でもございますが効率よく過ごしたいですね。
平成27年1月1日に相続税の改正が行われ、基礎控除額が減額されて課税対象者が倍増したと言われていますが、一方で、遺族が生活に困らないように、小規模宅地の特例など相続税の軽減措置も充実してきています。
ところが、この軽減措置が本来の主旨から外れた目的で利用されているのではないかと会計検査院が調査し、報告したそうです。
本来の趣旨を無視して、節税目的だけで制度を利用することは、制限されて当然と言えます。
実際、2018年度の税制改正大綱でも、小規模宅地の特例に制限を設ける案が出されています。その部分は次のとおりです。
【2018年度の税制改正大綱】
持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の特例(俗に言う「家なき子特例」)の対象者の範囲から、次に掲げる者を除外する。
イ 相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがある者
ロ 相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者となっています。
家なき子特例は、本当に持ち家がない相続人が被相続人の居住用宅地を相続することにより将来的にそこへ引っ越してその宅地を守っていくことを本来の趣旨としています。
ところが、この家なき子特例を本来の趣旨とは異なった活用をするケースが散見されるようになったため特例対象者を絞ったと考えることができます。
例えば、持ち家のある相続人が、その持ち家を親族などに売却した上で、そのままその親族名義の家に貸家として住み続けることにより、自身を家なき子に該当させ、特例適用後にその親族から持ち家を買い戻すようなケースです。
このような、節税だけを目的としたスキームを封じるための改正がすでに提案されています。
今後、このような改正はさらに強化されていくのでしょうね。
1年中で一番寒いといわれる2月です。
暖かくして風邪など召されませんようにご自愛ください。
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