お知らせ

事務所ニュース2022年7月

連日、猛暑が続いていますが、お変わりございませんか?
いつも事務所ニュースをお読み頂きありがとうございます。
今月は、消費税の不正還付が後を絶たない状況の中、国税庁が還付申告に対する対応を示しました。
この件について詳しく解説していきます。
また、今月からスタートする「5分で学べる税務知識」では、株主総会を待たずに取締役会での決算確定と申告時期について解説します。
コーヒブレイクでは、「給付金詐欺」と「特殊詐欺の救済を考える」を分かりやすく解説します。
地球温暖化の影響か、梅雨が6月中に明けた途端に、経験したことのない猛暑が続き熱中症対策も重要です。また感染者数が増加してきました。
皆さま、くれぐれも気を付けてお過ごしください。
頑張ろうぜぃ〜(税) ♪

知って得しま専科!  国税庁が全国税局に還付審査の対応強化を指示

国税庁は、本事務年度(令和3年7月~令和4年6月)より、全国税局等に対して消費税の還付申告に対する審査、調査対応を強化する指示を出している。
令和元年10月の消費税の税率引上げを背景に、近年、消費税の還付申告は件数やその金額ともに増加傾向にあり、先般、還付申告に対する当局の対応が示された。その内容は次のとおり。

★行政指導のほか実地調査で取引実態を確認

国税庁は今年1月21日,「消費税還付申告に関する国税当局の対応について」を公表した。
消費税の税率引上げを背景に,令和3年度から不正還付の対応に特化した「消費税専門官」が新設されたところ,今回,消費税の還付申告に対する国税当局の対応が明らかにされた。
今回の公表によってこれまでの当局の対応等が変わるものではないが,消費税の還付申告に対し必要に応じて,行政指導や実地調査でその還付原因の確認に当たるなど,適切な運用に力を入れていることを周知している

★還付明細書の記載内容を確認する裏付資料の提出求める

消費税では,輸出免税や免税店における免税販売が主要な事業である場合や,高額な設備投資を行った場合などに,還付申告書や還付申告となる主な理由や固定資産の取得状況などを記載した「消費税の還付申告に関する明細書」を税務署に提出することで,還付金を受けることができる。
ただ,消費税の還付申告の中には,課税取引や非課税取引といった区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りなども見受けられるという。
そのため,各種情報に照らして必要があると認められる場合には,還付金の支払いをいったん保留したうえで,その還付申告の原因を納税者に確認することがあるとしている。
具体的には,同明細書の記載内容の確認などをするために,行政指導として電話等による確認書類(【参考】)の提出の依頼や,実地調査が行われることがあるという。

【参考】 消費税の還付申告に伴い提出が求められることがある書類の例
還付申告の主な原因・・・輸出免税の場合・・・「輸出許可通知書」,「インボイス等の写し」
設備投資の場合・・・「契約書」,「請求書等の写し」,「取引実態を確認できる資料」

★取引実態の確認が困難な場合は還付保留の期間が長期化も

また,消費税の還付申告の原因の確認に当たって,国税当局では各種の事情に応じた個別的な対応をとるとしている。
例えば,課税仕入れや免税取引等の相手方と連絡がとれないことなどにより取引実態の確認が困難である場合や,取引に係る金銭授受の事実確認が困難である場合,輸出等に係る証拠書類が適切に保管されていない場合などにおいては,それらの確認に時間がかかり,還付を保留する期間が長期にわたることがあるという。
還付申告から還付が決定されるまでの期間は個々に異なるが,半年から1年に及ぶこともあるようだ。国税当局では,可能な限り速やかに実態の確認等に努め,還付金額が過大ではないことが確認できれば遅滞なく還付を行うこととしており,納税者に理解と協力を呼び掛けている。
このように消費税の還付申告は、輸出業者だけでなく、高額な設備投資などにより一時的に費用が増加した際などに行うことがある。
消費税への関心が高まるなか、還付対応の実態をQ&A形式で取り上げる。

<還付理由の解明を重点化>

1 :国税庁は還付申告に関してどういった方針を発出していますか

消費税の還付申告は近年、件数やその金額ともに増加傾向にあります。
調査でも、国内課税仕入及び輸出免税売上の架空計上や、国内課税売上を輸出免税売上に仮装計上するなどの不正還付事例が把握されているようです。
こうした状況において、消費税の不正還付を未然に防止するには、還付審査の段階で不正還付が想定される法人を的確に抽出し、最適な調査体制を構築したうえで、実地調査等に移行する必要があるとしています。
このため、国税庁は還付理由の解明事務を確実に実施するよう、全国税局等に指示を出しています

<形式的審査から実質的な審査へ>

2 :具体的にはどのように還付の審査が行われますか

消費税の還付申告が行われた場合、申告内容に応じて還付を保留した上で、還付が適切なものか審査が行われます。
まず、税務署の内部事務担当者が、還付保留がされている申告書について、「還付保留の理由」や「還付金額等」に関する形式的審査を実施します。
この形式的審査によって、さらに重点的に審査をするために調査部門に引き継ぐものと、還付の保留を解除し還付の手続に進むものに振り分けられます。

<審査項目に1つでも該当すれば還付保留解除せず>

3 :内部事務担当者が行う形式的審査の詳細を教えてください

形式的審査では、「還付金額」や「還付保留の理由」などに関する約20の項目に基づく判定がされるようです。
どれか1つの項目でも該当する場合は、調査部門に引き継ぐ事案として処理されます。
つまり、約20の項目のすべてに該当しないと判断された場合に限り、還付保留を解除する事案として還付の手続に進むことになりますので、厳格な審査といえます。

<課税事績、還付保留理由や申告書内容等に基づき審査>

4 :形式的審査を経て調査部門に引き継がれた事案について、どのように審査がされますか

調査部門に引き継がれた還付申告の事案について、申告書や還付明細書などに基づき対象者への接触の要否や接触の方法を判定します。
具体的には、「過去の課税事績等」、「還付保留理由」、「消費税申告書、還付明細書」、「法人基本情報」、「法人税申告書」に関するチェックが行われます。
約20のチェック項目が設けられており、該当した項目に従い、「行政指導」、「調査」、「還付保留解除」、いずれかの判断がされる格好です。
例えば、法人税申告書を確認することで、法人税申告書上の売上と消費税申告書上の課税売上が大きくかい離していないかなど、“異常値”を把握することができます。
また、「不正還付想定法人リスト」に入っている法人の消費税申告書が調査部門に引き継がれた場合、チェック項目の該当性の有無に関わらず、実地調査等が検討されるようです。
これらの確認手続が終わるまでは還付が保留されることになります。

<不正還付が想定される法人はリスト管理>

5 :Q4の「不正還付想定法人リスト」とはどのようなものですか

その名のとおり、消費税の不正還付が想定される法人のリストです。
調査部門において、これまでの申告状況等から該当する法人をリスト化して管理しているようです。

<行政指導で取引関係資料の提出求める>

6 :どのように行政指導や調査が行われますか

税務署内での情報収集による行政指導として、対象者へ電話や書面照会を行い、還付原因となる取引関係資料の提出を求めるようです。
過去の行政指導や調査等を踏まえて、不審点や検討事項なども記録をすることになっています。
こうした行政指導では実態の確認ができない場合に、署内調査又は実地調査が行われます。

5分で学べる税務知識 ・・・ 取締役会での決算確定と申告時期

会社法上、定時株主総会での決算の確定の承認を経ることなく、「取締役会の承認」により決算を確定させることもできる( 会社法439 等)。
法人税に係る申告期限の1か月延長特例の適用を受けている場合でも、取締役会の承認により決算を確定させているのであれば、定時株主総会開催 に法人税の申告書を提出しても問題ない
法人税に係る申告期限の1か月延長特例は、「定款等の定めにより、各事業年度終了の日の翌日から2月以内に当該各事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められる場合」に、国税当局に申請することで適用が認められる。
このように、同特例は、事業年度終了日の翌日から2か月以内に定時株主総会が招集されない場合を適用対象としているが、実務上、同特例を適用しているからといって、定時株主総会 の申告書の提出が強制されるものではない。
そのため、例えば、3月決算の上場企業が、5月開催の取締役会の承認により決算を確定させたのであれば、6月末の定時株主総会 に申告書を提出することも許容されるほか、事後的に、同特例の適用が取り消されることもない。
また、法人税申告書別表一の「決算確定の日」の欄には、定時株主総会の開催日を記載することが一般的なところ、取締役会の承認により決算を確定させて定時株主総会に申告書を提出する場合には、「取締役会での決算承認日」を記載すればよい。
なお、取締役会の承認により決算を確定させる場合であっても、その計算書類(貸借対照表、損益計算書等)の内容を定時株主総会に“報告”する必要がある。

コーヒブレイク ・・・ 「給付金詐欺」と「特殊詐欺の救済」を考える

★止まらない給付金詐欺  性善説の制度設計が裏目に

「親子4人らで9億6000万円詐取」「国家公務員が幼なじみの同僚と2億円を不正受給」――。
新型コロナウイルス対策として売り上げが減った中小企業に最大200万円を支給する「持続化給付金」を巡る詐欺事件が後を絶たない。
血税の垂れ流し状態に歯止めがきかず、不正も含めた自主返還額は166億円にも上る。
一体なぜ急増したのか。
持続化給付金は2020年5月から申請が始まり、コロナ禍で中小企業(やフリーランスを含む個人事業主ら)の売上が半減した場合、最大200万円を支給してきた。
申請期間は21年2月までで、約424万件に計約5.5兆円を支給
半数以上は申請から最短約2週間で入金された。
政府は不正が認定された事業者らには返還を求めていて、対応がない場合は氏名や住所を公表している。
自主返還を含めた返還申し出数は5月26日時点で約2.2万件、166億円に上る
不正は制度が始まってまもなくして全国各地で発覚した。
これまでに税務署職員や独立行政法人「国立印刷局」勤務の国家公務員、日本中央競馬会(JRA)の厩舎関係者ら約170人の不正受給が判明。
東京地裁は経済産業省のキャリア官僚2人も不正受給していたとして、懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。
巨額詐欺事件も相次ぐ背景には、提出書類の偽造がある。
一連の不正受給は「『性善説』に立った制度が悪用された」(経済官庁幹部)との見方で、大半が職業や収入などを偽って申請したとみられる。
支給までの迅速さを優先するため、確定申告書の控えや売り上げ台帳の写しなど必要最低限の書類があれば申請できるようにした制度のスキを突かれた。
また、書類をスマートフォンで撮影した写真や手書きの書類も「提出用の書類」として認めていたことで不正が急増した。
2020年9月には審査方法を厳格化したが、それ以前の支給分に関する不正は今後も増える見通しだ。
別の経済官庁幹部は「当時は支給を止めるわけにもいかなかった。不正は数万件規模にもなるのではないか」とこぼす。
初めて不正受給が明るみになって約2年が経つ中、捜査終結のめどは見えないままだ。

<警察幹部「審査がザル」>

中小企業庁の担当者は「制度は迅速な給付を優先した。
第三者に提出してもらう書類もなく、あくまで自己申告。
申請内容が虚偽であっても見抜くのは難しかった」と話す。
今年1月からの事業復活支援金では、金融機関に事業実態の確認を求めるなど審査を厳格化した。
ある警察幹部は冷ややかに「あまりにも審査がザルだった。制度がつくり出した犯罪だよ」と語る。

★特殊詐欺被害を救済しない税制の不可思議

災害で受けた損害については、確定申告をすると損害額の一部が所得から控除される「雑損控除」という救済制度がある
この制度は地震や火災、風水害だけでなく、その他の災害や、盗難による被害も対象にする
ところが、近年社会問題となっている振り込め詐欺などの特殊詐欺による被害は救済制度の対象外だ
災害や犯罪被害に遭った人を救済するという制度の趣旨を踏まえれば、特殊詐欺も救済の対象とすべきだ。
「多額の所得税を納めていない高齢者は、税制では救済できない」という声もあるが、控除について工夫の余地はあるのではないか。
その考え方は被害者の意思の有無で線引きされている
両者の違いは、被害者の意思に基づいているか、いないかだ。
刑法上の「盗難」(窃盗罪)は「財物の占有者の意に反して自己または第三者の占有に移すこと」で、「横領」(横領罪)は「他人の物の占有者が委託の任務に背そむいて、その物につき権限がないのに所有者でなければできない処分をすること」だ。
わかりやすく言えば、盗難や横領は、「被害者に無断で」「被害者の知らぬ間に」盗んだり、横取りしたりすることをいう
これに対して、詐欺や恐喝は、騙だまされたり、脅されたりした結果とはいえ、被害者は自分の意思に基づいて金品の占有を他人に移転している。
わかりやすく言えば、被害者は自ら金品を渡して」いる

むろん、その意思の決定過程には瑕疵かし(欠陥、不正常)があったのだが、それでも「本人の意思にも原因がある、だから救済の対象にしない」という線引きになっているわけだ
あえて冷たい言い方をすれば、「自分の意思で金品を差し出したのだから自業自得、自己責任だ」ということだ。
確かに、詐欺の被害者のなかには、そんなうまい話があるはずがない、というもうけ話に乗って大金をつぎ込んだ人もいる。
多くの人が「おかしいと気付かない方も悪い」「欲に目がくらんだのだから仕方ない」と思うケースもあるだろう。
しかし、振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害者まで、すべてそう考えるのは疑問だ。
災害や盗難被害を救済していることを考えると、税制の大原則である「公平性」の観点からも問題があるのではないかと考える

事務所からのお知らせ

東郷神社での大祓い 2022.6.30

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