連日、猛暑が続いていますが、お変わりございませんか?
いつも事務所ニュースをお読み頂きありがとうございます。
今月は、令和3年度の査察概要が国税庁から発表されました。
相変わらず悪質な納税者がいますが、その代償は大きいものがあります。
それらを詳しく解説していきます。
また、「5分で学べる税務知識」では、印紙税7号文書である継続的取引の契約の際の要件について解説します。
コーヒブレイクでは、芸能界「仲間由紀恵さんは7000万円の稼ぎ」、お笑いの「じゃい」は競馬所得で巨額追徴について解説します。
このところ、今までに経験したことのない猛暑が続いています。
熱中症対策も重要です。
また感染者数が増加してきました。
皆さま、くれぐれも気を付けてお過ごしください。
頑張ろうぜぃ〜(税)
知って得しま専科! 3年度査察概要 一審判決117件すべて有罪で6人に実刑判決
いわゆるマルサと呼ばれる査察は、脱税でも特に大口・悪質なものが強制調査され検察当局に告発されて刑事罰の対象となる。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。
国税庁はこのほど、令和3年度における「査察の概要」を公表した。
それによると、査察の処理件数は103件で、そのうち75件を告発した。
脱税額の総額は約102億円、告発した査察事案に係る脱税総額は約61億円だった。
1件当たりの脱税額は総額分で9900万円、告発分は8100万円。告発率は72.8%と昨年度の73.5%より下がったが、引続き高水準となった。
令和3年度の重点事案と位置付けた消費税事案の告発件数は21件。
そのうち、国庫金の詐取ともいえる悪質性の高い「消費税不正受還付事案」については9 件を告発。
その不正受還付額は4億3400万円だった。
たとえば、全国の百貨店催事場などを巡回して愛玩用動物に関するイベントを企画・開催する法人が、架空の課税仕入れを装う方法で控除対象仕入税額を過大に計上し、不正に消費税の還付を受けていた。
この事案では、所轄税務署において還付を保留した消費税額についても未遂犯として告発している。
そのほかの重点事案として「無申告ほ脱事案」は16件を告発。
「国際事案」では17件を告発した。
令和3年度中に一審判決が言い渡された件数は117件で、そのすべてが有罪判決となっており、そのうち6人に実刑判決が出されている。
実刑判決のうち最も重いものは、査察事件単独に係るものが懲役2年、ほかの犯罪と併合されたものが懲役9年だった。
たとえば、輸出免税制度を使った消費税還付の仕組みを悪用した法人の代表者に対して、懲役1年8月の実刑判決が出されている。
その法人は、国内の金地金取扱業者に金地金を販売しており、虚偽の請求書を作成するなど香港法人に対する輸出販売を装い、架空の免税売上を計上する方法により不正に消費税の還付を受け、または免れていた。
5分で学べる税務知識 ・・・ 印紙税 第7号文書「継続的取引の基本となる契約書」
今月は、様々な業種を通じて作成されることの多い第7号文書の「継続的取引の基本となる契約書」の取扱いの前半を説明してまいります。
7 第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)
印紙税法別表第一 「課税物件表」第7号には、「継続的取引の基本となる契約書」を課税文書として掲げています。その意義は次のようになります。
第7号文書
継続的取引の基本となる契約書………特定の相手方との間において継続的に生ずる取引の基本となる契約書のうち、次の1~5に掲げる5種類の文書をいいます(その契約書に記載された契約期間が3か月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものは、除かれます。)。
5種類の文書のそれぞれの要件を整理していますので、文書の判断を行う際に活用してください。
共通要件(次のいずれかに該当するものが第7号文書となります。)
① 契約期間の定めがないもの
② 3か月を超える契約期間の定めがあるもの
③ 3か月以内の契約期間が定められているが、更新の定めが併せて記載されているもの(当初の契約期間に更新後の期間を加えてもなお3か月以内であるものを除きます。)
第7号文書に該当しない場合でも……第7号文書には、それぞれ該当するためのいくつかの要件があります。
要件に該当しないときなどに不課税の文書と判断するのはちょっとお待ちください。
継続的取引の基本となる契約書に該当しないものであっても、その記載されている内容により、例えば、
・運送に関する契約書(第1号の4文書)
・請負に関する契約書(第2号文書)
に該当する場合が多くありますので、記載内容をよく確かめてください。
コーヒブレイク ・・・芸能界「仲間由紀恵さんは7000万円の稼ぎ」、お笑いの「じゃい」は競馬所得で巨額追徴
★仲間由紀恵さんは7000万円の稼ぎ 芸能界でも人気の軍用地投資
沖縄県出身の女優の仲間由紀恵さんが、地元沖縄の「軍用地投資」で約7000万円の収入を得ていると、週刊新潮が報じた。
同じ沖縄出身の芸能人で現参院議員の今井絵理子氏も軍用地投資をしていることも報じられている。
数多くの芸能人が手を出している「軍用地投資」は、相続対策として富裕層からも注目されている。
週刊新潮によれば、仲間さんは2007年に沖縄県浦添市の米軍基地キャンプ・キンザー内の北東部に位置する800平方メートルほどの土地を、所属する事務所と共同で購入した。
キャンプ・キンザーは2年後からの返還が予定されていることから、浦添市が跡地利用のために昨年購入し、その際に仲間さんは約7000万円の売却益を得たという。
自衛隊や米軍の基地などが建つ「軍用地」は、すべてが国有地というわけではなく、一部は民間の法人や個人から借り上げて利用するという形をとっている。
その際にはもちろん賃料が発生するので、それを目当てに軍用地をわざわざ購入する不動産オーナーも多い。
通常の賃貸アパートなどへの投資と比べた時に、軍用地を選ぶメリットとしては、空室リスクが存在せず確実に国から安定した賃料収入が得られること、そのため銀行からの担保評価が高くお金を借りやすいこと、賃料に当たる借地料が定期預金の金利の3倍前後のペースで上がり続けること、修繕・リフォームといった維持費がほとんどかからないことなどがある。
また軍用地は通常の事業用地に比べて固定資産税評価額が低く計算されるルールがあるため、それを基に算出する相続税も大幅に抑えることができる点も人気の秘訣だ。
こう聞くと良いことずくめのような気がするが、もちろん欠点もある。
軍用地は国の防衛戦略によって成り立つだけに、将来的に日本や米国の政策変更によって返還される可能性を常にはらんでいる。
返還後に大規模リゾート施設建設などの計画があるなら、今回の仲間さんのケースのように多額の売却益が見込めるが、そうでなければ「原っぱ」に戻ってしまう可能性もゼロではない。
また単純に利回りだけを見ると、軍用地の表面利回りは平均2%前後と、通常の賃貸アパートにかなり見劣りするという短所もある。
そして軍用地の面積は限られているため、既存のオーナーが手放したとしても、すぐ買い手がつき、なかなかオーナーになることが難しいということもあるだろう。
総じて利回りは低いものの安定性が高く、相続税対策として有効というのが、軍用地投資の特徴だ。
将来の相続税対策を見込んだ長期保有を目指して、軍用地が売りに出るチャンスを狙っている投資家は少なくない。
★競馬所得で巨額追徴の「じゃい」 国税当局に不服申立て
競馬の当選金に対して多額の追徴課税処分を受けたお笑いトリオ・インスタントジョンソンの「じゃい」が、国税不服審判所に不服申し立てを行ったことを明らかにした。
異議が認められる可能性が低いことは認識した上で、「自分が声を上げることで一つの提言にしたい」と思いを語った。
じゃいは、2020年12月に競馬の予想を的中させ、6410万円の払い戻しを受け、それをユーチューブの自身のチャンネルで報告していた。
その後、競馬で得た所得について確定申告を行ったが、ハズレ馬券の購入費用を所得から差し引いていたことから税務調査を受け、高額の追徴課税を受けた。
その額は「マンションを買えるくらい」だったという。
妻や親から借金をして納税をしたといい、税制への不満をあらわにしていた。
今回の不服申立てについて、「じゃい」はスポーツ紙の取材に対して、「当たっても税金を取られてマイナスになるなら、競馬をやる人がいなくなる」と懸念。
「正直、裁判はしたくないけど自分が動くことで何か変われば。30年以上楽しませてもらっている競馬界を盛り上げたい」と話した。
「じゃい」のもとには弁護士費用などとして約6000人から260万円を超える寄付が集まっているという。
ただ今回の申し立てで、異議が認められる可能性は限りなく低い。
競馬に限らず公営ギャンブルの当選金は所得税法上、原則として懸賞金や拾得物の謝礼などと同じ「一時所得」に該当し、経費として申告できる金額はごく一部に限られている。
競馬の当選金が一時所得に当たらないと認められる例外もあるが、網羅的な馬券購入、恒常的な利益計上など厳しい条件が設けられていて、今回のケースはこれらに該当しないとみられる。
「じゃい」は勝率の低さは認識した上で、公営ギャンブルを巡る税制議論に一石を投じる狙いだ。
競馬の税金に対しては、ハズレ馬券の扱いだけでなく、そもそも「二重課税」との声もある。
馬券購入者は購入時に約10%の国庫納付金の“テラ銭”を払っているため、このテラ銭が差し引かれた当たり馬券に対して所得税を課すのは、二重課税に当たるとの見方だ。
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