お知らせ

事務所ニュース2020年11月

紅葉の美しい季節になりました。
いつも事務所ニュースをお読み頂き、ありがとうございます。
2013年度の税制改正で創設された「教育資金の一括贈与非課税制度」は、当初、令和1年(2019年)3月31日までの贈与が対象でしたが、平成31年(2019年)度税制改正により、令和3年(2021年)3月31日まで期間が延長されました

期限は来春です。
一旦は期間が延長されたものの、再度延長されない限り、この制度はまもなく終了してしまうということです。
相続対策などで困っている方にとっては非常に有利な制度ですので、利用されていない方はすぐに検討を始めてみてはいかがでしょうか。
今回は、教育資金贈与の特例についてご説明します。
ぜひご一読ください。
朝晩の冷え込みが厳しくなってきますので、十分ご自愛くださいませ。

教育資金贈与の特例は2021年3月まで

祖父母から孫へなど、教育資金を1,500万円まで非課税で贈与できるのが、「教育資金贈与の特例」です。
今後延長されなければ、2021年の3月までで終了するので、利用を考えている方は遅れないように手続きするとよいのではないでしょうか。

教育資金口座を利用すると1,500万円までのぞうよが非課税に

一般的に「教育資金贈与の特例」と呼ばれるのが、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」です。
2013 年4月1日から2021年3月31日までの特例で、教育資金を父母や祖父母などの直系尊属から一定の方法で贈与された場合には1,500万円までが非課税となります。
利用するには、この教育資金口座を取扱う信託銀行、銀行、証券会社で手続きを行います。
贈与する祖父母などが資金を預け入れ、贈与を受けた孫などが預け入れた資金を払い出す時には、金融機関に領収書などを提出します。
教育資金として認められるのは以下になります。

1.学校等()に対して直接支払われる費用
・入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
・学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など
※ 学校等:学校教育法で定められた幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校及び 各種学校、一定の外国の教育施設、認定こども園又は保育所など

2.学校等以外に対して直接支払われる費用
(社会通念上相当と認められるもの。
23歳以後については、教育訓練給付金の対象となる受講費用に限られる)
・ 教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
・ スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など
・ 通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費 など
なお、教育資金口座の契約は、以下のうち最も早い日に終了します。
(1) 30歳に達した日 (学校等に在学または教育訓練を受けている場合を除く)
(2) 30歳以上で、学校等に在学または教育訓練を受ける日があることを、金融機関に届け出なかった場合には、その年の 12月31日
(3) 40歳に達した日
(4) 死亡した日
(5) 口座の残高が0になり、合意に基づき契約を終了する日
教育資金口座の契約が終了した時に残額がある場合には、原則として残額が贈与税の課税対象になります。
また、契約が終了する前に祖父母などの贈与者が死亡した場合には、教育費として使われていない金額が相続税の課税対象になります。
「23歳未満である場合、学校等に在学している場合、教育訓練給付金の対象となる教育訓練を受けている場合を除く」とされているので、贈与を受けた孫が23歳未満である場合や、在学中などの場合には、贈与してくれた祖父母が亡くなっても残額が相続財産に加算されることはありません。

将来の教育資金の贈与や相続対策に利用

教育資金贈与の特例について確認しましたが、そもそも、「今月までに納めなければいけない授業料を祖父が支払ってくれた」場合のように、教育費が発生する毎に祖父母が負担しても贈与税の対象にはなりません。
贈与と見なされるのは、まだ支払うことが決まっていない費用の分なども含めてまとめて教育資金を贈与する場合です。

アドバイス
1500万円を一気に贈与した場合、受贈者が20歳未満(一般贈与)であれば、贈与税の額は450万5000円となりますが、本制度を活用すれば贈与税がかかりません
※受贈者が20歳以上の直系卑属の場合は、特例税率が適用されるので366万円もし、資金的に多少余裕のある祖父母世代のお金が子供たちの教育費に非課税で投入されるなら、コロナ禍などで大変な思いをしている子育て世代にとって、とてもありがたいことですよね。
でも、「教育資金の一括贈与非課税制度」は、このままいくと、あと半年足らずで終了してしまいます。
この制度が終了すると、基礎控除を超える贈与には贈与税がかかってしまうのでしょうか。
実は、この制度ができる以前から「教育費贈与」という非課税の制度はありました。
ただしその制度は「都度贈与」と言って、例えば孫の入学金を贈与する場合、祖父母が「その都度」贈与をしなければなりません。
つまり、「教育費贈与」は、祖父母が贈与するお金をその都度払わなければならなかったので、存命中でなければ非課税贈与が出来なかったわけです。
ところが、「教育資金の一括贈与非課税制度」は一旦信託銀行等に預けてしまえば、仮に祖父母が亡くなってしまったとしても、いくつか条件はありますが、非課税贈与が可能だということです。
なお、平成31年(2019年)度税制改正により、23歳以上の者の学校外費用(習い事の費用)に関しては制度の対象外となりましたので注意が必要です。
要点をしっかり確認し、検討してみてくださいね。

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今まで国税調査官は税務調査ができずにフラストレーションが溜まっていることから、税務調査は厳しいものになることが予想されます。
税務調査や税務実務について、 様々な相談を受けておりますが、長年、国税の幹部を務めた私からこれらの相談事項や調査官としての経験を活かし、情報提供をさせていただいております。
皆様の実務の一助となれば幸いです。

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