パリオリンピックが開催され柔道や体操をはじめメダルラッシュで盛り上がってきましたね。
選手の方の努力が身を結ぶことをお祈りしております。
いつも事務所ニュースをお読みいただきありがとうございます。
今月号の「知って得しま専科」は、M&Aを推し進めている企業の方にはお勧めしたい「事業再編準備金の拡大枠 2回目以降M&Aが対象」という事業再編の中小企業事業再編投資損失準備金制度の枠の拡大について解説いたします。
また、「5分で学べる税務知識」では、「事業承継税制特例と役員就任要件」を解説いたします。
「コーヒーブレイク」では現在開催されているパリオリンピックで夏季五輪での日本勢通算500個目のメダルを獲得した「巴投げが印象的な柔道48キロ級角田夏実選手」にスポットを当ててみました。
今後もお役に立てそうなコラムをお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
頑張ろうぜぃ〜(税) ♪
知って得しま専科! 事業再編準備金の拡充枠 2回目以降M&Aが対象
適用者は過去5年以内に事業再編あることが前提
令和6年度改正で中小企業事業再編投資損失準備金制度が拡充され、中堅企業者等向けの新たな枠組み(拡充枠)が措置された。
中堅企業者等が一定の認定計画に基づき複数回のM&Aにより株式等を取得し、その取得価額の一定割合を準備金として積み立てた場合には、その積み立てた額を損金に算入することができる。
ただ、中堅企業者等が拡充枠を活用する場合は、過去5年以内に1回以上のM&Aを行っていることが前提となる。
拡充枠は特別事業再編計画に基づき取得した株式等の90%が損金算入可
中小企業事業再編投資損失準備金制度は、中小企業のM&Aに係る投資リスクに備えるための措置。
中小企業等経営強化法に基づき経営力向上計画の認定を受けた中小企業者が一定のM&Aにより株式等を取得し、取得価額の70%相当額以下を準備金として積み立てた場合は、その積み立てた額を損金に算入することができる。
令和6年度改正では、複数回のM&Aによりグループ一体での成長を実現できるように適用対象や積立率等を拡充し、既存枠とは別に拡充枠を設けた。
拡充枠では、改正産競法により新設される特別事業再編計画の認定を受けた認定特別事業再編事業者(同法において定義する常用従業員数2,000人以下の中小企業者又は中堅企業者。以下、中堅企業者等)が株式等を取得し、①特別事業再編計画に基づき最初に取得した株式等は積立率の90%を、② ①以外の株式等は積立率の100%を損金に算入することができる。
改正産競法の規定から前提条件を確認
拡充枠の主な適用関係は【参考1】のとおり。
拡充枠の“割合”の部分については法令で「認定特別事業再編計画に従って行う“最初の”特別事業再編のための措置として取得をした株式等」とされ、適用を受けるに当たってM&Aの回数には制限がないとの見方もある。
だが、改正産競法において、「…特別事業再編とは…中小企業者又は中堅企業者であって、他の事業者の経営の支配又は経営資源の取得を行ったことがあるものが…」と規定。
さらに「特別事業再編を実施する者が、過去5年以内において、他の事業者の経営の支配又は経営資源の取得を行っていること」とあるため、中堅企業者等が拡充枠を適用する場合には、過去5年以内に1回以上のM&Aの実施が前提となる(【参考2】)。
【参考1】拡充枠の適用関係
【適用対象】 青色申告法人で常用従業員数2,000人以下の中小企業者又は中堅企業者のうち、特別事業再編計画の認定を受けた事業者。 【措置】 【特別事業再編】 |
【参考2】認定特別事業再編事業者がM&Aを行うイメージ
中小企業事業再編損失準備金制度のメリットとしては大きく分けて2つあります。
①M&A実施時の税負担を抑えられる
②M&Aのリスク低減を図れる
前提として過去5年間のうち1回でも事業再編している必要があるが、5年間のうち1回でも事業再編をしており、令和6年度以降にM&Aを考えている法人はこの制度を活用するとよいだろう。
5分で学べる税務知識 ・・・ 事業承継税制特例と役員就任要件
令和6年度改正では、法人版事業承継税制の特例措置の適用に当たり必要となる特例承継計画の提出期限が令和8年3月31日まで2年延長された。
同税制の適用には、後継者が3年以上“連続”で役員を務める「役員就任要件」を満たす必要がある。
法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、経営承継円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等で取得した場合に、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について一定の要件のもとで納税が猶予され、後継者の死亡等によって猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度。
特例承継計画を提出する等の一定の条件を満たせば、一般の措置に加えて納税猶予割合を100%とするなどの特例措置もある。
同税制により、贈与税の納税が猶予・免除されるためには、後継者である受贈者が「贈与の日まで引き続き3年以上」事業承継の対象企業の役員であること等が求められる。
例えば、後継者が対象企業の役員を1年務めた後、別会社で勤務してから再び対象企業で2年役員を務めた場合は、累計では3年以上の役員就任となるが、3年間継続した対象企業の役員就任に該当しないため就任要件を満たさない。
法人版事業承継税制の特例措置に係る適用期限は令和9年12月31日であり、令和6年度与党税制改正大綱では「(同特例措置の)適用期限については今後とも延長を行わない」としている。
役員就任要件については、政府の「新しい資本主義実現会議」で見直しの検討事項とされたが、特例措置の適用を検討している場合には、早めに後継者を役員に迎え入れる必要があろう。
コーヒーブレイク ・・・巴投げが印象的な柔道48キロ級「角田夏実」選手
今回のコーヒーブレイクは現在開催されているパリオリンピックで「巴投げ」が印象的だった柔道の角田夏実選手にスポットを当ててみました。
現在、パリオリンピックでは柔道や体操等、多くの種目でメダルラッシュとなっています。
そんなパリオリンピックで日本勢の金メダル第1号に、そして夏季五輪での日本勢通算500個目のメダルを獲得したのは角田夏実選手でした。
角田選手は得意技の巴投げと腕ひしぎ十字固めを繰り出して1回戦から準々決勝までの3試合はいずれも1分前後で一本勝ちしました。
準決勝ではスウェーデンの18歳、タラ・バブルファス選手に得意の巴投げを再三かわされて互いに技のポイントがないまま初めて延長戦に入りましたが、相手が3回目の指導を受けて反則負けとなり、決勝に進みました。
決勝は、自身より世界ランキングが2つ上の2位で今年5月の世界選手権で優勝したモンゴルのバアサンキュー・バブドルジ選手と対戦し、開始2分54秒に巴投げで技ありを奪い、そのまま優勢勝ちして48キロ級で04年アテネ五輪の谷さん以来の金メダルを獲得しました。
多くの柔道の試合では大外刈りや内股、体落とし等の技で一本を取る選手が多い中、角田選手は巴投げと関節技を駆使して勝ち進めたことが印象的でした。
角田選手は小学生で柔道を始め、高校の最高成績は52キロ級で全国3位。同級の阿部詩選手のように早くから全国に名をとどろかせる選手ではなく、大学も強豪とは言えない東京学芸大学に進学しました。
国内では投げて勝つことが美徳とされがちですが、同大は寝技や関節技で攻める角田の柔道を尊重してくれたそうです。
角田選手は学内外で柔術やロシア発祥の格闘技「サンボ」も学び柔道の幅を広げ、3年時には同大初の学生日本一に輝いたそう。
得意のともえ投げは社会人から本格的に取り組み、2017年世界選手権では準優勝に輝き、世界トップクラスになっていきました。
しかし、国内の同じ階級(52キロ級)には阿部詩選手をはじめ強豪がひしめき、最高峰の舞台と憧れる五輪への壁となっており、52キロ級では阿部選手が代表確実視されていました。
代表発表を数カ月後に控えた19年秋、角田選手は27歳で48キロ級への階級変更を決断し、2021年から世界選手権3連覇を達成しています。
52キロ級から48キロ級に階級を落とすためには減量がかなり大変だったようで、本当に苦しかったようです。男性アスリートの体脂肪率が約10%に対し、角田選手は9%しかないため、減量も相当苦しんだようでした。
階級変更という大きな決断をし、毎日苦しい思いをした努力が身を結んで今大会で金メダルを取得できたこと喜ばしく思います。
オリンピックではどの選手もインタビューで「辛くきつい」という言葉を発するぐらい皆、血の滲む思いをして挑んでいるオリンピック。
選手の皆さんには悔いが残らない幸せな結果が訪れてほしいと思います。
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