あけましておめでとうございます。
昨年は事務所ニュースをお読みいただきありがとうございます。
今月号の「知って得しま専科」は、令和6年12月20日に公表された『令和7年度与党税制改正大綱決定』の中から特に気になった項目を抜粋して解説をします。
公表されたばかりの情報ですので、スピードと解り易さを重視して解説しております。
正確性を担保するものではございませんので、予めご了承ください。
また、「5分で学べる税務知識」では、「医療費控除とおむつ代」について解説いたします。
「コーヒーブレイク」ではスマホアプリ納付とアクセス方法の変更について解説をします。
今後もお役に立てそうなコラムをお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
頑張ろうぜぃ〜(税) ♪
知って得しま専科! 令和7年度与党税制改正大綱決定
自民・公明両党は令和6年12月20日、令和7年度与党税制改正大綱を決定しました。
自民党と公明党は、年収103万円の壁を巡る協議が難航したため国民民主党の合意を経ずに、令和7年度与党税制改正大綱を決定したため103万円の壁については割愛させていただきます。
主なトピックとしましては、中小企業者等の法人税率の特例や退職所得控除額の調整規定等の見直し、中小企業経営強化税制の拡充措置、リース会計基準の変更に伴う所要の措置が講じられるほか、外国人旅行者向け消費税免税制度や電子帳簿等保存制度の見直し、防衛力強化のための防衛特別法人税(仮称)の創設などがあります。
中小軽減税率や投資促進税制・経営強化税制は2年延長
中小企業者等の法人税率の特例について、所得金額が年10億円を超える事業年度では、年800万円以下の所得金額に適用される税率を17%(現行:15%)に引き上げる。
また、同特例の適用対象から通算法人を除外し、適用期限を2年延長。中小企業投資促進税制も適用期限を2年延長する。
中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)も適用期限を2年延長するほか、関係法令の改正を前提に、「売上高100億円超を目指す中小企業に係る措置」を講じる。
同措置として、投資計画の年平均の投資利益率が7%以上となることが見込まれ、経営規模の拡大を行うものとして経済産業大臣が定める要件に適合することにつき経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備(機械装置、工具、器具備品、建物及びその附属設備並びにソフトウエアで、一定の規模以上のもの)を特定経営力向上設備等に追加等する。
また、関係法令の改正を前提に、特定経営力向上設備等について、「一定の時期に発売された設備で、旧モデル比で経営力の向上の指標が年平均1%以上向上するものであるものの経営力の向上の指標について、単位時間当たり生産量、歩留まり率又は投入コスト削減率のいずれかにより評価する」などの見直しを行う。「遠隔操作、可視化又は自動制御化に関する投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備(デジタル化設備)」などは対象から除外する。
リース会計基準の変更に伴う所要の措置(所得税・消費税含む)が講じられるほか、非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の算定方法の明確化も行われる。
役員以外も退職手当に係る源泉徴収票の提出が義務に
退職手当等(老齢一時金を除く)の支払を受ける年の前年以前9年内に老齢一時金の支払を受けている場合には、当該老齢一時金等について、退職所得控除額の計算における勤続期間等の重複排除の特例の対象とし、老齢一時金に係る退職所得の受給に関する申告書の保存期間を10年(現行:7年)とする。令和8年1月1日以後に老齢一時金の支払を受けている場合であって、同日以後に支払を受けるべき退職手当等に適用する。
退職手当等の支払をする者は、退職手当等の支払を受ける全ての居住者(現行:退職手当等の支払をする法人の役員である居住者)に係る退職所得の源泉徴収票を税務署長に提出しなければならないこととし、当該源泉徴収票の記載事項について所要の見直しを行うとしている。
令和8年1月1日以後に提出すべき退職所得の源泉徴収票に適用する。
受益者等の存しない信託である法人課税信託に受益者等が存することとなった場合の所得の金額の計算も見直す。
具体的には、法人課税信託が、受益者等が存することとなったことにより法人課税信託に該当しないこととなった場合に、当該法人課税信託が特定法人課税信託であるときは、その信託財産に属する特定株式については、当該特定株式をその該当しないこととなった時における価額により取得したものとみなして、当該受益者等の各年分の各種所得の金額を計算する。
当該特定株式のその時の直前の帳簿価額に相当する金額は、当該受益者等のその取得した日の属する年分の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しないこととする。
また、所得税の基礎控除等や特定扶養控除等の年収要件をそれぞれ引き上げる。
そのほか、企業型確定拠出年金(DC)の拠出限度額を月額6.2万円(現行:月額5.5万円)に、個人型確定拠出年金(iDeCo)は一定の要件の下で70歳までの者の加入を可能として、拠出限度額を第一号被保険者は月額7.5万円(現行:月額6.8万円)に、それぞれ引き上げる。
輸出物品販売場制度をリファンド制に
外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)を見直す。
輸出物品販売場を経営する事業者が、消費税相当額を含めた価格で免税対象物品を譲渡し、出国時に持出しが確認された場合に事業者から免税購入対象者に消費税相当額を返金する「リファンド方式」とする。
令和8年11月1日以後に行われる免税対象物品の譲渡等に適用する。
また、電子帳簿等保存制度の見直しも行われる。
電子取引の取引情報に係る電子データの重加算税の加重措置の対象から、一定の要件を満たす電子データを除外するほか、所要の措置を講じる。
令和9年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税に適用する。
そのほか、令和8年4月1日以後開始事業年度より、防衛特別法人税(仮称)を創設する。
防衛特別所得税(仮称)の創設は今回見送られている。
令和7年度税制改正の主な項目
法人課税 | ・中小企業者等の法人税率の特例の縮減及び適用期限の延長 ・中小企業投資促進税制の適用期限の延長 ・中小企業経営強化税制の拡充及び適用期限の延長 ・リース会計基準の変更に伴う所要の措置(所得税・消費税含む) ・非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の算定方法の明確化 |
個人所得課税 | ・退職所得控除額の調整規定等の見直し ・法人課税信託に係る所得税の課税の適正化 ・確定拠出年金制度の見直し ・基礎控除等や特定扶養控除等の年収要件の引上げ |
消費課税 | ・外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し |
その他 | ・電子帳簿等保存制度の見直し ・防衛特別法人税(仮称)の創設 |
5分で学べる税務知識 ・・・ 医療費控除とおむつ代
超高齢社会が進み、介護人口が年々増加している。
通常、幼児等に使用したおむつ代は、医療費控除の対象とはならないが、“寝たきりの者”に使用したおむつ代については、一定の書類を確定申告書に添付するなどの要件を満たすことで、医療費控除を受けることができる。
医療費控除の対象となる医療費とは、自己又は生計一の配偶者や親族について支払った医療費のうち、医師等による治療等に必要な医薬品の購入等又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものを指す。
傷病によりおおむね6か月以上にわたり寝たきりであり、医師の治療を受けている者のおむつ代については、医師による治療を受けるため直接必要な費用として、医療費控除の対象となる。
おむつ代について医療費控除の適用を受ける場合は、医療費控除の明細書のほか、原則として、治療を行っている医師が発行した「おむつ使用証明書」を確定申告書に添付等しなければならない。
ただし、例外的に「おむつ使用証明書」に代えて「主治医意見書の内容を確認した書類等」の添付等でもよいとされる。
これまでの確定申告では、医療費控除適用1年目においては「おむつ使用証明書」の添付等が必須とされていた。
令和6年分以降の所得税等の確定申告では、介護保険法施行規則の一部改正に伴い、要介護状態の長期間継続が見込まれる場合は最長48か月間の要介護認定が可能とされたこと等を踏まえて、適用1年目においても、「主治医意見書の内容を確認した書類等」を添付等する例外的な対応が可能となる。
コーヒーブレイク ・・・スマホアプリ納付とアクセス方法の変更
年が明ければ、今年度の確定申告も始まってまいります。
今回のコーヒーブレイクではキャッシュレス決済アプリ(pay払い)のアクセス方法が変更になるため、注意喚起を含めお知らせ致します。
pay払いについては30万円を超える場合、利用できないのでその場合の納税方法についてもご参考にしてみてください。
スマホアプリ納税とアクセス方法の変更
令和4年12月からスタートしているスマホアプリ納付。
一定のキャッシュレス決済アプリ(Pay払い)を通じて税額が納付できる便利なサービスだ。
令和7年2月から、専用サイトへのアクセス方法がe-Tax経由に一本化される。
スマホアプリ納付とは
国税庁長官が指定した納付受託者(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)が運営する「国税スマートフォン決済専用サイト」から、納税者が利用可能なPay払いを選択し、納付受託者に納付を委託する方法のこと。
利用可能なPay払いは、PayPay、d払い、au PAY、LINE Pay、メルペイ、Amazon Pay、楽天ペイの7種類(令和6年12月11日時点)。
基本的には、国税の全税目で利用できる。
「国税スマートフォン決済専用サイト」へのアクセス方法
現在、①e-Taxで申告書等を送信後メッセージボックスに格納される受信通知、②確定申告書等作成コーナーで申告書を書面で作成した場合に出力されるQRコード、③国税庁ホームページの該当リンクの3通りがある。
ただし、令和7年2月からは、スマホやパソコンを利用して自宅等で申告から納付までの一連の手続をデジタルで完了することを目的として、前述のアクセス方法②及び③を廃止する。
アクセス方法の変更
②の確定申告書等作成コーナーのQRコードについては、令和7年1月6日から出力されなくなる。
令和6年分の所得税の納付で利用する場合は、①e-Taxからアクセスすることが求められる。
なお、スマホアプリ納付は、納付税額が30万円超の場合は利用することができない。
しかし、30万円超の納税者が複数回に分けて納付する、例えば、納付税額が100万円の場合に30万円、30万円、20万円、20万円の計4回に分けて納付するといった事例が多発しているようだ。
30万円超の納税者は、ダイレクト納付やインターネットバンキングによる電子納付など他のキャッシュレス納付手段を利用されたい。
なお、その他の納税方法については以下のサイトをご参照ください。
納税方法(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/02/2_04.htm)
なお、クレジット納付をする方も多いかと思いますが、クレジット納付の場合、納税額に応じた決済手数料がかかります。
納税額に応じた決済手数料の算出については以下をご参照してください。
国税クレジットカードお支払サイト(https://koukin.f-regi.com/fc/kokuzei_direct/)
決済手数料について仕入税額控除を行う場合は、「納付手続き完了」画面を印刷し、適格請求書(インボイス)として保存しておく必要がありますのでご留意ください。
事務所からのお知らせ
★LINEで「金森勝税理士事務所」を開設しました。
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税務調査のプロが救命いたします。
★金森先生が共著で出版した本(出版社:ぎょうせい)
「税目別誤りやすい税務への対応Q&A(第2版) 」法人税の対応を担当しました。
★2024年12月の特集
12月も金森先生は精力的に活動をされました。
12/1 第61回ゴルフ日本シリーズJTカップ | 12/7 福岡県・大宰府天満宮 |
12/7 福岡県柳川市・川下り | 12/7 福岡県柳川市・立花氏庭園「松濤園」 |
12/7 福岡市東月隈の庭園 |
12/3 群馬県館林市・バラ園 | 12/31 東郷神社・大晦日大祓い |