紫陽花が美しく色づき始め、梅雨の訪れを感じる季節となりました。
いつも事務所ニュースをお読みいただきありがとうございます。
早いもので今年も半年が過ぎようとしています。
物価高や人件費の上昇など経営環境は依然として厳しい状況が続いておりますが、このような時代だからこそ足元を見つめ、資金繰りや経営体質の強化に取り組むことが大切です。
さて、今月号の「知って得しま専科」は「物価高時代の節税と資金繰り ~今こそ見直したい3つのポイント~」と題しまして参考になるポイント」に絞ってご説明します。
また、「5分で学べる税務知識」では「クレジットカード明細だけでは経費にならない?」と題して税務調査で否認されないようにすべき点をご説明します。
さらに、「コーヒーブレイク」では、「ナフサ不足、ポテトチップスの袋から世界情勢を考える」と題してその現状をご説明します。
今後もお役に立てそうなコラムをお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
お身体には十分お気をつけてお過ごしください。
頑張ろうぜぃ~(税)

知って得しま専科!「物価高時代の節税と資金繰り ~今こそ見直したい3つのポイント~」

 

原材料費や人件費の上昇が続く中、多くの中小企業が利益確保に苦労しています。
このような時期だからこそ、次の3点を見直してみましょう。

1  少額減価償却資産の特例活用
「令和841日以後取得分から、30万円未満→40万円未満へ拡大」
・「30万円未満」→「40万円未満」
・適用期限は令和11331日まで延長
・従業員要件は500人以下→400人以下
に改正されました。
気を付ける点は、事業の用に供することができる状態になった日(引渡し・納品日)で判定することになります。

その事業年度で特例適用できる合計額は300万円までです。超過部分は通常の減価償却になります。

2 役員借入金の整理
会社の資金繰りを支えるため、社長個人のお金を会社に貸し付けているケースは少なくありません。
しかし、長年放置された役員借入金は、将来の相続や事業承継で思わぬ問題を生じることがあります。
放置すると、
・相続財産増加
・株価上昇
・事業承継の障害
となる場合があります。
ケースごとに具体的にご説明します。

ケース① 相続税が増えてしまう
例えば、社長が会社に5,000万円を貸し付けている場合、その「会社に対する貸付金債権」も相続財産になります。
自宅や預金だけでなく 、会社への貸付金も 相続税の対象となるため、相続税負担が大きくなる場合があります。

ケース② 後継者が回収不能な債権を相続する
会社の業績が低迷している場合、貸付金はある 。
しかし会社に返済能力がない というケースがあります。
この場合、相続人は「回収できるか分からない5,000万円の債権」を相続することになります。
相続税は課税されるのに、実際にはお金が回収できないという問題が生じます。

ケース③ 株式の承継対策が進まない
後継者へ株式を移転したい場合でも、株式は後継者へ承継、貸付金は先代社長が保有 という状態になることがあります。

3 資金繰り表の作成 ~利益が出ていてもお金が足りない理由~
「今期は黒字なのに、なぜか預金残高が増えない」と中小企業の経営者からよく聞く言葉です。
会社経営においては、損益計算書の利益と実際の資金の動きは必ずしも一致しません。

例えば、
・売上は計上したが入金は2か月後
・設備を購入して大きな支出があった
・借入金の返済が毎月発生している
・消費税や賞与の支払いが近づいている
といった場合には、利益が出ていても手元資金が不足することがあります。
特に近年は、人件費や原材料費の上昇により、売上が増えても運転資金が不足する企業が増えています。
そこで役立つのが「資金繰り表」です。
資金繰り表を作成すると、
3か月後の預金残高が予測できる
賞与や納税資金を事前に準備できる
銀行への融資相談を早めに行える
資金ショートのリスクを回避できる
という大きなメリットがあります。
銀行が融資審査を行う際も、資金繰り表を作成している会社は経営管理能力が高いと評価される傾向があります。
利益を見る「損益計算書」とあわせて、お金の流れを見る「資金繰り表」も経営の重要な羅針盤です。
会社が倒産する原因の多くは赤字ではなく資金不足です。
一度、自社の3か月先、6か月先の預金残高を予測してみてはいかがでしょうか。

 

5分で学べる税務知識 ・・・「クレジットカード明細だけでは経費にならない?」

 

最近は、社長や役員がクレジットカードで支払いを行う機会が増えています。
中小企業の税務調査で最も多い指摘の一つが「領収書のないクレジットカード経費」です。
カード明細は『支払った証拠』にはなりますが、『何に使ったかの証拠』にはなりません。
領収書やレシートの保存を忘れないようにしましょう
飲食代や出張費、備品購入費などをクレジットカードで決済し、会計処理の際にはカード会社の利用明細だけを提出されるケースも少なくありません。
しかし、税務上は注意が必要です。
クレジットカードの利用明細には、①利用日、②利用店舗 、③利用金額は記載されていますが、購入した内容 、飲食の目的、参加者、取引先名などの情報までは分かりません。
例えば、飲食代の場合、「誰と、何の目的で飲食したのか」が分からなければ、交際費や会議費として認められない可能性があります。
また、店舗名だけでは業務との関連性が判断できず、税務調査で説明を求められることもあります。
そのため、クレジットカードで支払った場合でも、
レシート
領収書
参加者や目的を記載したメモ
を必ず保存しておくことが重要です。
特に飲食費については、①取引先名、②参加者氏名、③人数、④飲食年月日、⑤飲食店名を記録しておくことで、税務調査への対応が容易になります。
最近では電子帳簿保存法への対応もあり、スマートフォンで撮影して保存する方法も有効です。

ワンポイントアドバイス
「カード明細があるから大丈夫」は危険です。
税務調査では「いくら支払ったか」だけでなく、「何のために支払ったか」が重視されます。
経費として認めてもらうためにも、クレジットカード利用時は領収書やレシートを必ず保管する習慣をつけましょう

 

コーヒーブレイク ・・・「ナフサ不足、ポテトチップスの袋から世界情勢を考える」

 

先日、テレビを見ていたら「中東情勢の影響でナフサ不足の懸念」というニュースが流れていました。
正直なところ、「ナフサって何?」と思った方も多いのではないでしょうか。
ナフサとは石油から作られる原料で、実は私たちの身の回りのあらゆるものに使われています。
例えば、ポテトチップスの袋、ペットボトル、ボールペン、コンビニのお弁当容器、自動車の部品などです。
つまり、中東で何か起きると、「遠い国の話」ではなく、「明日のポテトチップスの袋の話」になるわけです。
最近は物価高の影響もあり、スーパーで買い物をしていると、「また値上がりした?」と思うことが増えました。
ところがよく見ると、値段は同じ。
しかし内容量が90g 80g 70gと少しずつ減っています。
ある経営者の方は、「昔はポテトチップス一袋で家族みんなで食べられたのに、今は開けた瞬間になくなる」と嘆いていました。
確かに、袋を開けると空気の方が多い気がします。
一方で会社経営も似ています。
売上は増えているのに、原材料費アップ 、人件費アップ 、電気代アップ 、ガソリン代アップ で、手元のお金はなかなか増えません。
さらに利益が出れば法人税も発生します。
経営者からすると、「売上が増えて喜んでいたら、経費も税金も一緒に増えていた」というのが実感かもしれません。
ポテトチップスの内容量は減っても、税金の計算書だけは減らないのが少々残念なところです。
遠い中東の出来事が、実は日本のスーパーの棚や会社の資金繰りにつながっている。
そう考えると、世界経済は思った以上に身近な存在なのかもしれません。
子どもの頃は「大人になったらお菓子を好きなだけ買える」と思っていました。
大人になった今は買えますが、内容量が減っていました。
どうやら人生も経済も、思ったより奥が深いようです。

 

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