皆さま、節分を過ぎ、暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続きますね。
いつも事務所ニュースをお読みいただきありがとうございます。
本年2月号は、選挙にまつわる話題で皆様の経営と暮らしを税務・会計の面から支えられるよう、実務に即した分かりやすい情報提供に努めてまいります。
さて、今月号の「知って得しま専科」は「衆議院選挙と税制 ― 私たちの一票が税金の行方を決める」と題して単なる政権選択の場ではないことを解説します。
また、「5分で学べる税務知識」では、「はっきり分かる「〇〇万円の壁」一覧」と題して実際には1つではなく複数の壁が存在があることをご紹介します。
「コーヒーブレイク」では、「一票で消費税は何円変わる?」と題してたった1%の違いが私たちの生活や事業に与える影響は、想像以上に大きいことを解説します。
今後もお役に立てそうなコラムをお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
温暖の差が激しい季節ですのでお身体には十分お気をつけてお過ごしください。
頑張ろうぜぃ~(税) ♪
知って得しま専科!「衆議院選挙と税制 ― 私たちの一票が税金の行方を決める」
2月8日に衆議院選挙が予定ている衆議院選挙は、単なる政権選択の場ではありません。
今後数年間の税制の方向性を決定づける極めて重要なイベントでもあります。
選挙というと「政治の話」と思われがちですが、実は税金と最も密接に関係しています。
なぜ衆議院選挙が「税金」と深く関係するのか
税金は法律によって決められます。そして、その法律を作るのが国会です。
衆議院選挙の結果によって、どの政党が政権を担うのか、どのような政策を優先するのか、が決まり、これが税制改正の中身に直結します。
各政党の公約を見ると、①消費税率の見直し、②中小企業向け税制優遇措置、③インボイス制度の運用改善、④賃上げ促進税制・投資減税の拡充、など、私たち事業者や個人の負担に直結する内容が数多く並んでいます。
税制改正は、選挙後に編成される政権の方針をもとに「税制改正大綱」として具体化されます。
つまり、選挙結果=今後数年の税金の方向性と言っても過言ではありません。
特に中小企業経営者の方にとっては、設備投資がしやすくなるのか、事業承継税制は維持・拡充されるのか、消費税の実務負担は軽くなるのか、といった点が大きな関心事でしょう。
選挙を「遠い話」にせず、税金の未来を決める機会として捉えてみるのも大切かもしれません。
実際、毎年12月に公表される「税制改正大綱」は、政権与党の政策方針を色濃く反映したものです。
選挙で示された民意が、
👉「減税を重視するのか」
👉「再分配を強化するのか」
👉「企業支援を優先するのか」
といった方向性として形になります。
選挙後に税制はどのように動くのか
衆議院選挙後、税制が変わるまでの一般的な流れは次の通りです。
👉衆議院選挙の実施
👉新内閣の発足
👉政権方針を踏まえた税制議論の開始
👉年末に「税制改正大綱」を公表
👉翌年の通常国会で税制改正法案が成立
👉原則として4月1日以降に施行
つまり、選挙結果はすぐに税額を変えるわけではありませんが、確実に「次の税制改正」を方向づけます。
特に中小企業税制や各種特例は、政権の考え方次第で、延長される、縮小される、廃止される、といった影響を受けやすい分野です。
今回の選挙で注目される税制テーマ
今回の選挙では、次のような税制テーマが注目されています。
消費税 👉 税率維持か、引下げ・軽減策か、インボイス制度の見直しを含めた議論
中小企業向け税制 👉 交際費課税、少額減価償却資産の特例、賃上げ促進税制の継続・拡充
個人所得課税 👉 配偶者控除・扶養控除、働き方の多様化に対応した税制
事業承継・相続税👉事業承継税制の特例措置の扱い、相続税負担の在り方
これらはすべて、経営判断・ライフプランに直接影響するテーマです。
経営者・個人事業主にとっての「選挙と税金」
選挙は政治家のためのものではなく、「どんな税制のもとで事業を続けるのか」を選ぶ場とも言えます。
設備投資を後押しする税制か、人を雇いやすい税制か、事業承継を円滑に進められる税制か、これらは、選挙後の政策判断によって左右されます。
税制改正は突然起こるものではなく、選挙 → 政策 → 税制改正、という流れの中で準備されています。
税理士事務所からのひとこと
日々の申告実務では税制を「与えられたルール」として扱いますが、そのルールは選挙によって形づくられています。
今回の衆議院選挙を、「自分や自社にどんな税制が望ましいか」を考えるきっかけとして捉えてみてはいかがでしょうか。
5分で学べる税務知識 ・・・「はっきり分かる「〇〇万円の壁」一覧」
― 令和8年度改正議論の背景も含めて ―
「〇〇万円の壁」と言われますが、実際には1つではなく複数の壁が存在します。
それぞれ影響する税金・制度が違う点が重要です。
① 103万円の壁(所得税の壁)
給与収入 103万円以下、給与所得控除55万円 + 基礎控除48万円 👉 本人に所得税がかからない
これは長年使われてきた基準で、「これを超えると税金がかかる」というイメージが最も強い壁です。
② 106万円の壁(社会保険の壁・一部)
次のすべてを満たす場合、社会保険加入が必要になります。
給与収入 106万円超、従業員51人以上の事業所、週20時間以上勤務、月額賃金8.8万円以上 など
所得税ではなく、社会保険料が発生
近年、実務で最もトラブルになりやすいポイントです。
③ 130万円の壁(社会保険の壁・原則)
給与収入 130万円以上、配偶者や親の扶養から外れる 👉 国民年金・国民健康保険に加入
106万円の壁に該当しない人でも、130万円を超えると原則として社会保険の自己負担が発生します。
④ 150万円の壁(配偶者特別控除の満額)
配偶者の給与収入 150万円以下 👉 配偶者特別控除が満額適用
150万円を超えると、配偶者特別控除は 段階的に減少していきます。
⑤ 201万円の壁(配偶者特別控除の消滅)
配偶者の給与収入 201万円超 👉 配偶者特別控除がゼロ
このラインを超えると、配偶者に関する所得控除は完全になくなります。
税金と社会保険が混在していることが混乱の原因です。
令和8年度に向けた「新たな壁」議論
現在、令和8年度税制改正に向けて、所得税の課税最低限を引き上げる案「給与収入ベースで160万円~180万円程度を非課税とする構想」が議論されています。
これは、103万円の壁が低すぎる、働き控えが人手不足を招いている、といった問題への対応策です。
※ 現時点では 確定事項ではなく、政策議論段階 です。
実務での注意点
仮に所得税の壁が引き上げられても、社会保険の106万円・130万円の壁が残る可能性「税金はかからないが、保険料は増える」ケースが想定されます。
そのため今後は、「いくらまで働けますか?」という質問に、 税金+社会保険をセットで説明する力がますます重要になります。
まとめ
「〇〇万円の壁」は1本の線ではなく、複数の段差です。
令和8年度改正は、この複雑な段差をどう整理するのかが大きな焦点となります。
コーヒーブレイク ・・・「一票で消費税は何円変わる?」
「一票で消費税は何円変わる?」
ちょっとした話題として。仮に消費税率が1%変わると、国全体の税収は約2.5兆円前後変動すると言われています。
「選挙で投票したって、生活はそんなに変わらないでしょ?」こんな声を聞くことがあります。
でも、税金の世界で見ると、たった1%の違いが私たちの生活や事業に与える影響は、想像以上に大きいのです。
年商1,000万円(税抜)の事業者なら、消費税額は約10万円の差。
月10万円の生活費なら、年間で約1.2万円の違い。
こうして数字にすると、「1%って意外と大きいな…」と感じませんか?
選挙の一票は小さく見えても、積み重なると私たちの生活や事業に確かな影響を与えています。
消費税1%で、国のお金はどれくらい動く?
まずは日本全体の話から。
消費税率が 1%上下すると、国の税収は約2.5兆円前後変わると言われています。
2.5兆円というと小学校 約25,000校分の年間運営費、児童手当を全国で1年分支給しても余る規模、中小企業向け補助金を何年も続けられる金額
👉 1%=国家予算レベルの金額です。
では、私たち個人ではいくら変わる?
次に、ぐっと身近な数字で見てみましょう。
①毎月の生活費が10万円の場合(税抜)消費税8% → 税額8,000円 、消費税9% → 税額9,000円
👉 月1,000円の差、年間では1,000円 × 12か月 = 12,000円
👉「ランチ10回分」「電気代1か月分」くらいの差になります。
②毎月の生活費が20万円の場合
差は 月2,000円、年間では 24,000円、家族世帯になると「ちょっとした旅行代が消える」感覚です。
事業者の場合はどうなる?
次は経営者目線で見てみましょう。
年商1,000万円(税抜)の場合、消費税1%分 = 10万円
つまり、消費税率が1%上がるだけで
👉 10万円多く預かり、10万円多く納める
資金繰りや価格設定に、確実に影響します。
年商5,000万円なら?
消費税1%分 = 50万円
この金額は、パート1人の1~2か月分の人件費、小型設備の購入費、広告費1年分に相当します。
「預かってるだけ」でも楽じゃない
よく「消費税は預かり金だから関係ない」と言われますが、実務ではそう簡単ではありません。
入金と納税のタイミングのズレ、未回収でも納税が必要なケース、インボイス対応などの事務負担
消費税率が上がるほど、事業者の実務負担も確実に重くなります。
だからこそ「一票」が意味を持つ
消費税は、国民全員が負担する税金、生活費にも、事業にも直接影響する税金です。
選挙では、消費税をどう考える政党なのか、引上げなのか、維持なのか、負担軽減策なのか、こうしたスタンスが示されます。
一票で消費税率が直接1%動くわけではありません。
でも、その一票の積み重ねが 👉 1%=2.5兆円の判断につながります。
コーヒーを飲みながら、こんな話題はいかがでしょう
税金や選挙の話が、少し身近になるかもしれません。
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